安心して、邪魔者は消したか


 これって、是非、学生パラレルでやりたい状況。
霧人兄ちゃんは中等部の教員で(王泥喜くんの担任)で、成歩堂さんが響也くんの担任。(必然的に32と33歳設定。)
 でも、17歳と32歳って凄い歳の差兄弟だ。
(でも、私の兄と妹はそれくらい差があるので現実味はあります。こんぐらい離れていると、完全に父親の心境らしい。 談・兄)

「兄貴…え?、先生」
 教室に伸びた長い影に喜々として振り返った響也は、ぎょっと表情を変えた。入口の扉に手を掛けて、笑っている男は担任でもあり、兄の友人でもある成歩堂。
 響也にとっては、珍しく(苦手)な部類に属する人間だ。
けれど、成歩堂自身は、響也の苦手意識など知ってか知らずか、常に強引だ。
「お待たせ。送っていくよ、牙琉響也くん」
 当たり前のように告げると、机に座っていた響也の腕を引いた。
「何言って、僕は兄貴を待っているんであって、アンタを待ってた訳じゃ…。」
 振り解こうと藻掻いても成歩堂の力は強く、昇降口まで連れて来られる。教員用の玄関には、ご丁寧に響也の靴まで用意されていた。
「兄貴を待ってるって約束したんだから、アンタとは帰れな…!。」
 なんとか解放してもらおうと顔を上げた途端、唇を塞がれた。ちゅっと軽い音がして解放されるまで、成歩堂の舌技を堪能させられどうしようもなく脚が笑い出す。
 睨む瞳が潤んでいるのを満足そうに眺めてから、成歩堂は嗤った。

「安心して、邪魔者は消したから」
 思わぬ台詞に、響也は一瞬息を飲んだ。何を考えているのかわからないようなところのある男だ。消すって、まさか。
「…ぁ、何の事だよ。アンタ、兄貴に何かしたのか!?」
「さっき電話があったから、もう帰宅しましたと言っておいたよ。」

 見る見るうちに、響也の柳眉が上がっていく。口付けとは別の赤が、その顔を覆っていった。

「僕が勝手に帰った事になってるじゃないか!!!」
「ああ、そうだね。」
「ふざけるな!!」
 

あんな子供に手を出すとは、どういうつもりです、成歩堂!
あ〜あれが子供に見えるんだ、可哀相に。
可哀相なのは、貴方の頭です。

↑涙目でマンションに帰って来た途端、自室に籠もって出てこない響也と、時間差でやって来た成歩堂に理由を察知してご立腹の霧人。



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